方向音痴な言説

地図・ナビゲーションにまつわる俗説を取り上げます

「方向音痴な人」って、どんな人?

 一般に、方向音痴だと評される人とは、以下のような特性を持つ人のことでしょう。 

  1. 何度も通ったことのある道を覚えていない。
  2. 来た道を戻れない。
  3. 事前に道順説明を受けても、初めて行く場所にうまく辿り着けない。
  4. よく行く場所であっても、いつもと違うルートを使うと辿り着けない。
  5. 間違ったルートに入ったら、正しいルートに復帰できない。
  6. 地図の見方がわからない。

 これらの特性は、認知症などの病的な(「病的な」という言い方に語弊があるなら、「特異な」と言い換えてもいいでしょう)状態の人にも見られるもので、視空間認知能力の障害であると考えられています。ただし、明らかに特異なケースと、単なる訓練不足もしくは道順を覚えることに無関心なケースとを混同すべきではないでしょう。