冬季に登山する人なら、たとえ低山にしか登らなくても、低体温症について知っておくべきでしょう。
また、山で行動するために必要とされる知識・技術の多くは、都市災害時にすぐ応用が利きます。特に野外活動をしない人でも、知っておけば、緊急時に役立つかも知れません。
・『低体温症と凍傷−ふせぎ方・なおし方』 ISBN:9784915594076
J.A.ウィルカースン 著 栗栖 茜 訳 山洋社
原著『Hypothermia,Frostbite and other Cold Injuries』は、なんと1986年に出版(日本語訳書は1990年に出版)された、古典中の古典です。さすがに、医療の新しい知見により修正されるべき細目は散見されますが、基本的なことは現在でも十分通用します。時代が変わっても色褪せないのは、名著の証しです。
低体温症・凍傷は、患ってしまった後の処置ももちろん大事ですが、それ以前に事前防止することが大事だと説き、予防法の解説にも力を入れています。
本書は、現在では入手困難なようです。
・『トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか』
羽根田 治 飯田 肇 金田 正樹 山本 正嘉 著 山と渓谷社
こちらは、現在でも容易に入手できます。第4章をまるまる低体温症の解説に充てています。
2009年7月16日、北海道のトムラウシ山で、低体温症により8名が死亡する事故が起きたのは、記憶に新しいことです。真夏の大量凍死(=低体温症による死)事故は、登山をしない人々にも大きな衝撃を与えました。本書は、この事故の詳細なドキュメントです。
・『山岳医療情報』のウェブページより
アラスカ州寒冷障害へのガイドライン2003(2005改訂)
『ガイドラインをご覧頂く前に』
http://www.sangakui.jp/medical/alaska/
序文を読んだ上、ページ下の『上記に同意して、ガイドラインを見る』をクリックすれば、ガイドライン目次に飛びます。低体温症と凍傷への対処について詳しい解説がウェブで読めます。このウェブページの他のコンテンツ群も非常に有益です。