方向音痴な言説

地図・ナビゲーションにまつわる俗説を取り上げます

ナビ基本編

全く地図を読めない人のための、独学地図読み上達講座

地図読み初心者が上達したければ、指導実績のある上級者に直接教えてもらうのが最も効率的です。指導実績のある上級者であれば、指導対象者の習熟度に応じた適切な課題を選び、上手に教えてくれるものです。しかし、身近にそんな人はなかなか見つからないの…

山岳誌『山と渓谷』、「地図を回す人は地図が読めない」という俗説を否定

当ブログでは、 地図を進行方向に合わせて回す人は、方向音痴で地図が読めない という俗説を否定する記事を何度か書いてきました。例えば、以下の記事がそうです。 地図を正置(整置)してみよう! 地図をクルクル回す人は、なぜバカにされるのか? 『所さん…

男は方角と距離に基づいたナビゲーションが苦手(1)−方角と距離に基づくナビゲーションはどうやるか

私事になりますが、このところたて続けに「男は方角と距離に基づいたナビゲーションを得意とし、目印に頼ると迷いやすくなる」という俗説を信じている人に会いました。そして、いったん俗説を信じてしまった人を説得するのがいかに困難か痛感しました。信じ…

『はなまるマーケット』方向音痴克服法 − 前半トンデモ後半マトモ、激しすぎるコントラスト

2013年10月7日、TBS系列のテレビ番組『はなまるマーケット』内のコーナーで、「方向音痴克服法」の企画が放送されました。詳しい内容は、下記リンク先で読むことができます。 ・七転八起 [はなまるマーケット] 方向音痴 克服法 10月7日 地図アプリ Map Fan e…

登山道を外すとき

前回の記事の続きです。 私の知人が実際に登山道を外した(または外しかけた)3件の事例を、以下に紹介します。3事例とも、はっきりした踏み跡がついている登山道上で起こったものです。 Aさんの場合 − 直進方向についた踏み跡に気を取られる Aさんが先行し…

一本道であっても、道迷い遭難は起こる

山においては、毎年多くの道迷い遭難が発生しています。警察庁から年度毎の遭難概況が発表されています。・警視庁生活安全局地域課 平成22年度中における山岳遭難の概況 (PDF形式) http://www.npa.go.jp/safetylife/chiiki28/h22_sangakusounan.pdf 平成…

「地図が読めるようになる」教材や講習って、どんなの?

「地図が読めるようになる」教材であれば、こちらで紹介した本があります。きちんと読み込めば、地図を読む能力が大幅に向上すること請け合いです。 また、各地で様々な読図講習会が開催されています。きっちりカリキュラムを組んだ本格的なものもあれば、趣…

山岳読図界の二大巨頭

ニセ物の宝石が氾濫する世の中で宝石鑑定眼を養うためには、まず本物の宝石を見ておく必要があります。本物と比べてニセ物がいかにチャチで安っぽいか、よくわかります。 日本の山岳読図界の二大巨頭といえば、村越真(むらこし・しん)氏と平塚晶人(ひらつ…

道路上ナビの極意を知りたければコマ地図(コマ図)を見よ

これまで、踏み跡の無い山中でのナビゲーション説明に重点を置きすぎました。しかし、「ナビゲーション」といえば、大抵の人は、道路上でのナビゲーションを思い浮かべるでしょう。そんなわけで、今回は道路上ナビの話です。 道路上で道を間違えるとすれば、…

GPS

いやあ、便利な時代になったものです。訓練時には使用しないし、衛星が捕捉しにくい谷筋での使用には不安があるものの、これさえあればホワイトアウト・ナビゲーションも怖いものなし。ただし、GPSは、地図が読めてナンボのものです。実際、GPSで現在位置を…

高度計

気圧の変化を感知して高度を割り出す道具です。 「登山道から外れない限り、高度計さえあれば正確に現在地がわかる」と敢えて極論してみせる人がいますが、まさにその通り。携帯性もよく、状況次第では、コンパスやGPSより役に立ちます。 標高のわかっている…

地図を正置(整置)してみよう!

地図を読む際、地図の向きを現地の実際の方向に合わせることを「正置(整置)」といいます。以下、表記を「正置」に統一します。 カーナビ画面の初期設定は、車の向きが変わるにつれ地図も回転する、いわゆる「ヘッドアップ(ヘディングアップ)方式」になっ…

推測航法について

方角と距離の情報をもとにナビゲーションする方法を「推測航法」といいます。目印(ランドマーク)を利用しにくい船舶・航空機でよく用いられます。 船舶であれば海流、航空機であれば風向・風速を考慮して補正します。 当たり前の話ですが、船舶・航空機に…

ホワイトアウト・ナビゲーションって、どうやるの?

前回の記事の続きです。 踏み跡が無い場所で、濃霧のため視界が悪い中、目的地に行くことを想定します。ただし、高度計、GPSは使用しないものとします。 実は、現在地からの方角と距離さえ分かれば、視界など無くても正確に目的地に辿り着けます。目的地への…

ホワイトアウト・ナビゲーションって、何?

まずは、狭義のホワイトアウトについて。 ・ウィキペディアより −ホワイトアウト− http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88 狭義のホワイトアウトに加え、濃霧により著しく視界の悪くなった状態も含…

コンパスを使ってみよう!

人間は、方角を感覚器官で直接感知する能力を持っていません。だからこそ、コンパスの使い方をみっちり練習するわけです。 登山で用いるのは、プレート(ベースプレート)タイプのコンパスです。コンパスと透明プレートが一体型となり、プレート部の先端に矢…

「地図が読める人」って、どんな人?

読図・ナビゲーション技術指導においては、個人商店乱立状態で、統一されたカリキュラムが存在しないのが悩みのタネです。とはいえ、山岳読図の指導を実施している人たちがほぼ一致するであろう見解は存在します。 ・コンパスを使いこなせる。 ・等高線を見…